女王陛下は溺愛禁止!



「アンジェリア、クッキー持ってきてあげたよ! 焼きたてはしっとりしてて熱々でおいしいんだ」
 部屋に現れたエアを、執務机のアンジェリアは陰鬱ににらみつける。

「それどころではない」
「もう、そんな顔してるとラドウィルトに怒られるよ」
「なにをのんきな!」
 怒って立ち上がったアンジェリアは、すぐにハッとエアを見る。彼がのんきなのはまさか。

「ラドウィルトの居場所を知っているのか?」
「うん」
 あっけらかん、とエアは答える。

「だからこれ食べて」
「そんなものより、ラドウィルトはどこだ!」
「えー、そういうこと言うなら教えない」
 すねたようなエアに、アンジェリアの頭に血が上る。

「うるさい、早く言え! 言わねば死刑にするぞ!」
「アンジェリア、怖いよ……」
 エアは困惑を浮かべて彼女を見る。
 ハッとしたアンジェリアは、大きく息を吐いて自らを落ち着かせる。

「すまない、取り乱した」
「まずはクッキー食べて」
 差し出されたそれを、アンジェリアはしぶしぶ手に取る。いつもと違ってまだ温かい。口にいれると、エアの言う通りいつものクッキーよりもしっとりとしているように感じられた。
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