女王陛下は溺愛禁止!
「その感じ、焼き立てしか無理なんだよ。すぐに冷めて普通のクッキーになっちゃう。おいしい?」
「ああ。ありがとう」
 アンジェリアは頷く。こんなときではあるが、おいしいものを分けようとしてくれた気遣いには感謝するべきだろう。

「そんなに怒るくらいラドウィルトが好きなの?」
 聞かれたアンジェリアは固まったあと、ぎこちなく首を振った。

「部下が消えたら心配するのは普通のことだ」
「強情だなあ」
 エアはあきれてクッキーを頬張る。

「そうそう、ラドウィルトって言えば、伝言を頼まれてた」
 やっと思い出して、エアは言う。
「なんと言っていた!?」
「マリオンが犯人で、クライドを警護してくれって。あと、ラドウィルトが閉じ込められてる」

 アンジェリアは愕然とした。
 マリオンが犯人?
 ではラドウィルトはマリオンに囚われて監禁されているのか?
 そうしてクライドの警護を厚くしろ、と。

 助けてくれ、ではなくそう伝言するところを思い、アンジェリアは胸を熱くする。自分のことはあとまわし。そのくせ、アンジェリアが必ずラドウィルトを助けると信じているのだ。だからいちいち助けてくれとは言わない。

 最近たて続いた襲撃とも無縁とは思えない。
 アンジェリアはすぐにマリオンを見張らせるように指示を出した。
 同時に兵を伴って自ら地下に赴き、ラドウィルトを保護した。
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