女王陛下は溺愛禁止!
結婚して子を持ち、後継を決めることが国民の将来への不安を軽減させる。
だからこそラドウィルトは結婚を強く進めてくるのだが。
アンジェリアは公式に発表こそしていないものの、甥を後継にすると決めていた。
自身はすでに血にまみれている。直接手を下してはいないものの、人の死を命じた時点で同罪だ。
そんな自分が女性としての幸せを得ることも、次世代に血をつなげることへも罪悪感があった。
今のうちに膿をすべて絞り出し、きれいになった玉座を引き渡したい。
それがアンジェリアの願いだった。
「先程も言ったが、ここで暮らす以上は人間のふりをしてもらう」
「いいよ。今はそんなに力もないからね」
「で、具体的にはこの者をどうなさるおつもりで?」
「どうする予定もないが……」
アンジェリアの言葉にラドウィルトはため息をつく。
「ではこの者、ひとまず道化とします。なんの役にも立たないでしょうから」
「ひどい」
エアは悲しそうに両手で顔を覆うが、アンジェリアもラドウィルトも一向に気にしない。
指の隙間からそれを見たエアは、むっと唇を突き出して不満を表明した。
「宮廷道化師か。久しく聞かないな」
「道化師は国王にすら自由な発言を許されます。陛下の名を呼び捨てるのも奇妙な言動も道化ゆえと見逃してもらえるでしょう」
「空中に浮いても奇術と思われるということか」
宮廷道化師は奇術を披露したり歌を歌ったりなどして楽しませるエンターテイナーでもある。
「俺みたいな美形すぎる道化ってどうなの」
「自分で言うか。まさに道化よの」
アンジェリアは笑みに目を細め、ラドウィルトは顔をしかめた。
だからこそラドウィルトは結婚を強く進めてくるのだが。
アンジェリアは公式に発表こそしていないものの、甥を後継にすると決めていた。
自身はすでに血にまみれている。直接手を下してはいないものの、人の死を命じた時点で同罪だ。
そんな自分が女性としての幸せを得ることも、次世代に血をつなげることへも罪悪感があった。
今のうちに膿をすべて絞り出し、きれいになった玉座を引き渡したい。
それがアンジェリアの願いだった。
「先程も言ったが、ここで暮らす以上は人間のふりをしてもらう」
「いいよ。今はそんなに力もないからね」
「で、具体的にはこの者をどうなさるおつもりで?」
「どうする予定もないが……」
アンジェリアの言葉にラドウィルトはため息をつく。
「ではこの者、ひとまず道化とします。なんの役にも立たないでしょうから」
「ひどい」
エアは悲しそうに両手で顔を覆うが、アンジェリアもラドウィルトも一向に気にしない。
指の隙間からそれを見たエアは、むっと唇を突き出して不満を表明した。
「宮廷道化師か。久しく聞かないな」
「道化師は国王にすら自由な発言を許されます。陛下の名を呼び捨てるのも奇妙な言動も道化ゆえと見逃してもらえるでしょう」
「空中に浮いても奇術と思われるということか」
宮廷道化師は奇術を披露したり歌を歌ったりなどして楽しませるエンターテイナーでもある。
「俺みたいな美形すぎる道化ってどうなの」
「自分で言うか。まさに道化よの」
アンジェリアは笑みに目を細め、ラドウィルトは顔をしかめた。