女王陛下は溺愛禁止!
「エア! どうしてここに」
「愛しい人の声に気が付かないわけないじゃん。どうしたの、これ」

「エア、この崩れた岩をどかせられるか」
「無理だよ。力が足りない。君が愛を誓ってくれるならともかく」
「無理か……」
 アンジェリアは悔し気にうめき、壁に手を付く。愛を誓ったらやるとは言うが、実質、やりたくない、やれないと言っているとしか思えない。

「ならば宮に行き、助けを呼んできてくれ」
 ラドウィルトの言葉にエアは口を尖らせる。
「嫌だ。お前の命令なんか聞かない。まずは等身大ケーキをもらってから」
「頼む、エア」
 アンジェリアが言うと、エアは少し思案する様子を見せた。

「そなたしか頼れる人はいないんだ」
「人じゃなくて神だけど。まあ、アンジェリアが言うならそれくらいのお使いはしてあげる」
 言って、エアは姿を消した。

「しばしこらえてくれ。今、助けを呼びにやった」
「感謝申し上げます!」
 兵の返事は苦し気だ。いつまで力が持つのだろう。だが、ここにいてもアンジェリアにできることはない。

「クライド殿下も助けなくてはな」
 アンジェリアはそう言って歩き出す。

「お待ちを。私が参ります」
「魔力を持つマリオン殿にお前では勝てないだろう」
「それは陛下も同じこと」
 アンジェリアはため息を落とした。
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