女王陛下は溺愛禁止!
 天井から大きな水晶が落ちて来て剣に当たり、剣は地面に落ちて水晶に隠れた。
「危なかったねえ」
 ほっとエアが言ったときだった。

 がが! と大きな音がしていくつかの水晶が揺れた。
 見ると、マリオンが腕を伸ばしている。どうやら水晶に魔力を当てているようだ。

 ばきばきと細い水晶が折れた。そのまま空中に留まり、アンジェリアたちを囲む。
 水晶が落ちたのを見て、それを武器にすることを思い付いたようだ。砕かれた岩の破片も空中に舞う。

「これほどの力を持っていたのか」
 アンジェリアの声に焦りが混じる。
 おそらく彼は登録の測定時には力を抜いて隠したのだろう。その真意はわからない。魔力が大きいと神殿に管理されることがあるため、それを嫌って魔力を小さく見せかけたのかもしれない。

 水晶が一斉に動いた瞬間、アンジェリアたちは逃げる。
 水晶はアンジェリアたちがいたところに突き刺さり、あるいは砕けた。

「逃げるしかないな」
 アンジェリアはラドウィルトに言い、彼は頷く。
「逃がしませんよ」
 水晶がまた浮かび、アンジェリアたちの周囲を巡り始める。
 これでは通り抜けようとした瞬間に次々に石に打ちつけられてしまう。大きな石もあり、尖った水晶もある。軽症ではすまなさそうだ。

「エア、お前だけなら抜けられるだろう。地上の兵を呼んできてくれ」
「やだ、アンジェリアが心配。行きたくない」
 エアは彼女に抱き着こうとするが、さっとかわされてむっとした。

 直後、さきほどまでアンジェリアがいたところに大きな石が飛んできた。
 石は周囲を巡るだけではなく、ランダムにアンジェリアたちを攻撃しはじめる。
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