女王陛下は溺愛禁止!
「わかった。私はエアとの愛を」
 言葉は最後まで言えなかった。
 気が付けばラドウィルトの顔が眼前にあり、唇が彼の唇で塞がれている。

「なにするんだよ、俺のアンジェリアに!」
 エアが怒鳴るが、ラドウィルトに動揺はない。
 ラドウィルトが唇を離すと、アンジェリアは呆然と彼を見つめた。

「お前……なにを……」
 初めてのキスは温かくてやらわかくて、だけどときめきなんてなかった。衝撃が大き過ぎて、上手く言葉が紡げない。

「あのような軽薄な神に愛を誓ってはなりません」
「軽薄じゃないし! 素敵な神だし!」
 エアが抗議するが、ラドウィルトは返事をしない。
 アンジェリアは呆けたように彼を見ていたが、ぶるぶると首を振ってから険しい目を彼に戻す。

「だが、そうなればここからはどうやって……」
「エアが助けてくれます」
 ラドウィルトは笑みを浮かべ、それからエアを見た。

「貴殿は力を隠している。わざと抑制して力なき者のようにふるまっている」
「俺を嘘吐き呼ばわりするわけ?」
「そうではない。だが、我らを脱出させる力はあるはずだ。頼む」

「嘘吐き呼ばわりされた。お前なんかのためにはどんな力だって使ってやらない。ケーキもアイスクリームももらってないし」
「ここから出られねば渡すことはできない」
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