女王陛下は溺愛禁止!
 とろけるほどの甘い声でささやき、エアはアンジェリアの手をとる。
「さあ、愛を」
 アンジェリアは潤んだ瞳で彼を見た。
「私は……」
「——ダメです」
 弱々しい声が、アンジェリアを遮った。

「エアの真の名は……」
 ラドウィルトの言葉は喘鳴で(ぜいめい)途切れ、続かなかった。

「真の名において、命じる……陛下を、助け……」
「ああ、もう! うっとうしい!」
 エアは声を荒げ、手をばっをそちらに振った。
 直後、ラドウィルトの姿がかき消えた。

「ラドウィルト!?」
「あいつも、いらない!」
 エアはクライドにも手を振り向ける。と、クライドの姿もかき消えた。

「エア、なにをした!?」
「俺が愛してるのはいつだって君だけだ」
 エアはアンジェリアの頬に軽くキスをする。

 それだけで彼女の頭はくらりと揺れ、そのまま意識を失って崩れ落ちた。
 エアはアンジェリアを抱き上げると、すっと姿を消した。
 直後、すべての天井が崩れて地下空洞は埋まった。
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