女王陛下は溺愛禁止!
3
小さなアンジェリアはある日、薔薇の庭園の迷路を歩いていた。緑が濃くて、背丈よりも高い薔薇の生垣でできている。
角を曲がった瞬間に誰かにぶつかり、どすん、と尻餅をついて転がった。
「いったーい」
彼女は顔をぎゅっと痛みにしかめ、それから相手を見上げてぽかんと口を開けた。
「お兄ちゃん、きれい。神様なの?」
アンジェリアはただ彼を見つめた。
銀の髪が日差しを受けて虹色に輝き、瞳も同じく虹色に輝く銀。
細い体に古めかしいヒマティオンは壁画から抜け出した神そのものにしか見えなかった。
「よくわかったね」
彼は美しく笑い、彼女に手をかざす。
と、アンジェリアの体がふわりと浮かんで起き上がり、打ちつけた箇所からは痛みが引いた。
「すごい、痛くない! ありがとう!」
無邪気な笑顔に、彼は笑みを返す。
「久しぶり……だけど君にはわからないか。名前は?」
「アンジェリア! あなたは?」
「秘密」
「じゃあなんて呼べばいいのかわからない」
「なんて呼びたい?」
いたずらっぽく尋ねる彼に、アンジェリアは首をかしげる。
それからしばらくして、「エア」と言った。
「空気みたいに綺麗だから、エア!」
彼はくすっと笑った。
角を曲がった瞬間に誰かにぶつかり、どすん、と尻餅をついて転がった。
「いったーい」
彼女は顔をぎゅっと痛みにしかめ、それから相手を見上げてぽかんと口を開けた。
「お兄ちゃん、きれい。神様なの?」
アンジェリアはただ彼を見つめた。
銀の髪が日差しを受けて虹色に輝き、瞳も同じく虹色に輝く銀。
細い体に古めかしいヒマティオンは壁画から抜け出した神そのものにしか見えなかった。
「よくわかったね」
彼は美しく笑い、彼女に手をかざす。
と、アンジェリアの体がふわりと浮かんで起き上がり、打ちつけた箇所からは痛みが引いた。
「すごい、痛くない! ありがとう!」
無邪気な笑顔に、彼は笑みを返す。
「久しぶり……だけど君にはわからないか。名前は?」
「アンジェリア! あなたは?」
「秘密」
「じゃあなんて呼べばいいのかわからない」
「なんて呼びたい?」
いたずらっぽく尋ねる彼に、アンジェリアは首をかしげる。
それからしばらくして、「エア」と言った。
「空気みたいに綺麗だから、エア!」
彼はくすっと笑った。