女王陛下は溺愛禁止!
「準備は?」
「完了しております」
「わかった」

 直後、ドアがノックされる。
 ラドウィルトが対応に行き、客を招き入れる。

「本日はお招きいただきありがとうございます」
 クライドがアンジェリアに深々とお辞儀をした。

「本日はテラスに席をご用意しました」
 案内しながら、アンジェリアは目で侍女に合図をする。
 侍女はメイドを連れて外に出て、アンジェリア、ラドウィルト、クライド、エアの四人で席につく。
 アンジェリアがお茶を淹れて並べると、クライドは穏やかな微笑を見せた。

「陛下お手ずからのお茶とはありがたいですね」
「大したものではない」
 アンジェリアは苦笑して席に着く。

「アンジェリアが淹れてくれたんだからおいしいに決まってる。俺、ちゃんとお茶会に呼んでもらえて、嬉しい。いっつも邪魔者扱いされてたもん」
 エアはにこにことタルトを頬張る。彼の前にだけお菓子がてんこ盛りだ。

「殿下は明日にはご出立ですね。お体はもうよろしいので?」
「はい。すっかりお世話になりました」

「いえ、それはこちらです。なんどもお助けいただき、ありがとう存じます。我が国の事情に巻き込んでしまい、申しわけない」
 アンジェリアの礼に、クライドは微笑を返す。

「散策中に庭園が陥没するなど本当に驚きました。あれで助かるなど、私たちはよほどの強運の持ち主ですね」
 真相は誰にも言わない、と彼は言ってくれたのだ。
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