女王陛下は溺愛禁止!
 とはいえ、すでに彼は有利な手札を持っている。命がけで女王を守り、王宮内で暗殺されかけた。リアンシェードはこれらを盾にソルディノアノスに強気の外交をしてくるだろう。

「ご結婚の件は本当によろしかったので?」
 ラドウィルトが尋ねる。
 クライドが反故にしたため、アンジェリアとの婚約は流れた。

「父は……国王はどう思うかわかりませんが、弱みに付け込むなど男らしくありませんからね。一度はそれでも陛下を手に入れられるならと思いました。が、やはり陛下の御心をいただきたい」
「クライド殿下、そのようなことはお控えを」
 アンジェリアがうろたえ、クライドは苦笑した。

「やはりおかわいらしい。この程度でその動揺」
「いや、動揺というわけでは」
「これは私がそうそうにラドウィルト殿に勝てそうですね」
 クライドが言うと、ラドウィルトが反論する。

「それは無理です。おそばに侍っているのは私ですからね、私が先に陛下を手に入れます」
「ダメだよ、アンジェリアは俺のもなんだから」
 エアがすかさず割り込む。

「お前たち、今日はそういう話をする場ではなかろう!」
 アンジェリアが一括すると、ラドウィルトとクライドは苦笑し、エアはむくれた。

「陛下がおかわいらしいからいけないのですよ」
「だから、そういうことはお控えあれ!」
 アンジェリアが慌てるから、クライドはさらに笑みを深める。

「そういえば、陛下がお喜びになりそうな者がおりまして」
 ラドウィルトの言葉にアンジェリアは首をかしげる。
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