女王陛下は溺愛禁止!
「仕方なかろう。当時は王位を継いだばかり、半年後に叔父が謀反を起こして国は混乱、お前もよく知っているはずだ」
「ええ、もちろん。あの件で出世して陛下の側仕えとなりましたから。私は亡き前陛下にお誓いしました。陛下に立派な国王となっていただくと」
「お前は父に心酔しておったからな」
 アンジェリアはふうっと息をつく。

 ラドウィルトの父は前王であるアンジェリアの父と親しく、ラドウィルトは前王にもかわいがられていた。自身の父を亡くしたあとは前王を父のように慕い、文官となった。
 幼い頃のアンジェリアと彼とは面識があるという程度だった。
 それが変わったのは前王がなくなったあと。
 王位を継いだアンジェリアを、彼は全力で支えてくれた。

「そのためにも善き伴侶とともに愛を紡いでいただきたいと、愚臣は思っております」
「無理だ。愛は人を惑わし、道をたがわせるものだ」
「またそのようなことを」
 ラドウィルトは顔をしかめる。が、そうなる過程を見て来ただけに強くは否定しない。

「世継ぎなら妹の息子がいる。無理して私が結婚、出産しなくても大丈夫であろう」
「赤子ながらに利発そうで元気なお子でいらっしゃいました」

「だろ? 自慢の甥だ。しかも、大公子息であり魔力のあるマリオン殿を父としているのだ。これほど良い後ろ盾はなかろう。だからな、私は結婚などしなくていいんと思うんだ」
「それとこれとは違います」
 ラドウィルトの返答にアンジェリアはまたためをつく。
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