女王陛下は溺愛禁止!
マリオンは念じるだけで物を動かすことができる。いつだったか、その力で物を浮かせてアンジェリアに見せてくれた。
魔力を持つ者は希少で、国に申告が義務付けられている。申告後は能力の測定をして登録し、不正に使わないという誓約書を書かされる。誓約書は法的拘束力を持つが力を制限するものではない。
魔力の発現はさまざま、遠視、透視、空中浮揚、治癒など。かつては数種を同時に使える者もいたらしいが、現在では各国とも魔力の保有者は減少傾向にあり、使える種は一種類の者ばかりだ。
魔力を武力として軍に入る者もいれば、治癒の能力を活かして医者や神官になる者もいる。
アンジェリアの先祖にも魔力を持つ者は多数いるが、彼女にも妹にも力はなかった。
「だいたいこの男どもは我が国に王配として君臨したいだけだろう。結婚後に私を退けて王位に就こうと企む者もおるやもおしれぬ。そのような数多のクズ石の中からただひとつの玉を掴み取るなど、不可能であろうよ」
「なれども陛下にはそれをしていただかねばなりません」
「私よりそなたはどうだ。浮いた話のひとつ聞いたことがない。もう二十九であろう?」
「陛下より先に結婚などできようはずもございません。ご心配くださるのでしたら、どうぞご結婚を」
「苦労性よの。いっそ我らが結婚するか? いっきにまとまるぞ」
「そんな面倒はごめんこうむります」
即答に、アンジェリアは鼻で笑う。
「またお行儀の悪い笑い方を。トップレディーたるもの、もっとお上品になさってください」
「やってられるか。お上品にした瞬間、舐められる」
冷めた紅茶を飲み、アンジェリアは顔をしかめる。
かつて王女だった頃はお上品におしとやかにを心がけていた。
即位後、信頼していた叔父の謀反、文官たちとのかけひきや軍部との折衝の末、取り繕うのをやめた。結果、文官も軍もアンジェリアを認め、従うようになった。
ノックの音がして、ラドウィルトが対応に出る。
魔力を持つ者は希少で、国に申告が義務付けられている。申告後は能力の測定をして登録し、不正に使わないという誓約書を書かされる。誓約書は法的拘束力を持つが力を制限するものではない。
魔力の発現はさまざま、遠視、透視、空中浮揚、治癒など。かつては数種を同時に使える者もいたらしいが、現在では各国とも魔力の保有者は減少傾向にあり、使える種は一種類の者ばかりだ。
魔力を武力として軍に入る者もいれば、治癒の能力を活かして医者や神官になる者もいる。
アンジェリアの先祖にも魔力を持つ者は多数いるが、彼女にも妹にも力はなかった。
「だいたいこの男どもは我が国に王配として君臨したいだけだろう。結婚後に私を退けて王位に就こうと企む者もおるやもおしれぬ。そのような数多のクズ石の中からただひとつの玉を掴み取るなど、不可能であろうよ」
「なれども陛下にはそれをしていただかねばなりません」
「私よりそなたはどうだ。浮いた話のひとつ聞いたことがない。もう二十九であろう?」
「陛下より先に結婚などできようはずもございません。ご心配くださるのでしたら、どうぞご結婚を」
「苦労性よの。いっそ我らが結婚するか? いっきにまとまるぞ」
「そんな面倒はごめんこうむります」
即答に、アンジェリアは鼻で笑う。
「またお行儀の悪い笑い方を。トップレディーたるもの、もっとお上品になさってください」
「やってられるか。お上品にした瞬間、舐められる」
冷めた紅茶を飲み、アンジェリアは顔をしかめる。
かつて王女だった頃はお上品におしとやかにを心がけていた。
即位後、信頼していた叔父の謀反、文官たちとのかけひきや軍部との折衝の末、取り繕うのをやめた。結果、文官も軍もアンジェリアを認め、従うようになった。
ノックの音がして、ラドウィルトが対応に出る。