女王陛下は溺愛禁止!
「人が悪いなあ、のぞき見なんて」
「たまたまだ」

「アンジェリア、俺のこと信じるなってみんなに言ったよね」
「言った。なにか問題が?」

「うう……人の恋路を邪魔するなんて」
 エアは大袈裟に嘆いて見せる。

「陛下に愛を求めておきながら、なんと軽薄な」
 ラドウィルトのツッコミに、エアは暗い顔を向ける。
「俺の愛がいらないって言うんだもん。だったらほかに探すしかないじゃん」
 いじけた姿に、アンジェリアはまた笑う。

「花はどうやって出すのだ?」
「神の力だよ」
「まったくなんの役にもたちませんね」
「ひ、ひどい……」
 ラドウィルトにすぱっと切り捨てられ、エアはまた傷付いたような顔を見せた。

「無限に出せるならば花屋を開かせるのも良いかもしれぬな」
「無限には試したことないなあ。あ、もしかして俺の恋路を邪魔するのは俺が欲しいから? 素直にそう言ってよ。君のためならなんでもするよ」
 エアはアンジェリアに近付き、顎をくいっと持ち上げる。
 直後、ラドウィルトの剣の切っ先がエアの喉元につきつけられる。

「ぼ、暴力反対! 物騒なものしまってよ!」
「くだらんことをするからだ。なればこその道化とも言えようが」
 アンジェリアは余裕の笑みを見せる。
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