女王陛下は溺愛禁止!
「俺が仕事ができないってのか」
「失礼だぞ!」

「失敬。油を売っておいででしたから。陛下の夜の御心配をなさるくらいでしたらご自身に気を配られたほうがよろしいかと」
「はん! さすが体を使って出世をした男は言うことが違うな!」

「その通りだ」
 突如割って入った声に、男たちはびくっと振り返る。
 そこには冷然と笑うアンジェリアがいた。

「こやつのソレはそなたらのお粗末なものとは違うからな」
「へ、陛下!」
「ご、ご機嫌麗しゅう」
 ふたりは慌てて頭を下げる。

「で、誰が会いたくて仕方ないって?」
「いえ……拝謁かないまして嬉しく存じます」

「私は孔雀を夫にする趣味はない。孔雀は孔雀らしく毒蛇でも食ろおうておれ」
 男たちは意味がわからずぽかんと口をあけてアンジェリアを見ている。

「あのね、ごてごて飾り立てたかっこうが孔雀みたいだったらしいよ」
 エアは羽をばたばたさせるように両手を動かし、孔雀を真似て「クオーウ、クオーウ!」と叫ぶ。
 あっけにとられていた男たちはエアのバカにしたような真似に怒り、かといって女王の前なのでなにも言えない。道化に怒って狭量な男と思われたくないプライドもあった。

「息抜きは充分だろう、仕事に戻れ」
 アンジェリアに言われ、男たちは一礼して下がる。
 それを見送ってからラドウィルトは自らの腰に片手を当てる。
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