女王陛下は溺愛禁止!
「人間ってたいてい永遠の命を欲しがるのに」
「不老不死が幸福であるなど、恵まれた者の発想であろうよ」
「アンジェリアは女王なのに恵まれてないんだ?」
「そのような問答が好みか?」
 質問で返され、エアは首を傾ける。

「好みってわけじゃないけど。神の力、欲しい?」
「国を統治する上では欲しい力だな。なんでもできるのだろう?」
「そこは神によるかなあ。俺と結婚すれば神の力を手に入れたも同然なのに。俺がなんでもしてあげるんだから」
 アンジェリアは口元に自嘲のような笑みを浮かべる。

「そなたは封印を解きたいだけであろう。それともほかに狙いが?」
「やだなあ、そういう邪推。アンジェリアの愛が欲しいだけだよ」
「陛下を愛しているのであるならば、黙って陛下のために力を使えば良いだけです」
 ラドウィルトの言葉にエアはじとっと彼を見る。

「一方通行は嫌だもん」
「神は無償の愛をお持ちでないと」
「無償の愛って響きはいいけど場合によっては搾取だよね。俺は愛し合いたい。いつでも俺の胸に飛び込んできて!」
 エアは両手を広げるが、アンジェリアは顔を背けて見ない振りをする。
 ぶうっと口を尖らせたエアは、すぐに笑顔になった。

「レイジェリーナだ」
 エアは大きく手を振る。
 レイジェリーナは小さく手を振り返し、楚々と歩いて四阿を訪れた。
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