女王陛下は溺愛禁止!
2
エアはふらふらと歩き回っていた。
アンジェリアが政務の間はかまってくれなくて暇だ。
それで城内をうろついてメイドを口説いたりさぼっている官僚を驚かしたりして遊ぶ。
料理メイドや料理長とは仲良くなった。厨房でつまみ食いをして怒られたとき、言い訳がてら料理を褒めたら気に入られ、わざと余らせてくれるようになった。
それで今日もわけてもらったお菓子を食べ歩き、三つ編みのメイドをまた見かけた。
この前は自分を見たら驚いた様子で逃げて行った。
人を……いや、神を見て逃げるなど失礼だ。
それとも神だから恐れられたってことでいいのかな。
また彼女はどこかの部屋を覗こうとしていた。
だからふわっと浮いて背後から気配を消して部屋に入り込み、ドアの内側に立って鍵を開けて待ち構える。
扉が音もなくそーっと開いた瞬間。
「ばあ!」
エアは大声で驚かした。
「ぎゃあああ!」
メイドは悲鳴を上げて逃げていき、エアはげらげらと笑う。
部屋から出て後ろ姿を見送り、仁王立ちでドヤ顔をした。
神に失礼なことをするからバチを当ててやったぞ。
「そこでなにをしておる」
振り返ると、アンジェリアが苦虫をかみつぶしたような顔で立っていた。一歩後ろにはいつものようにラドウィルトと護衛がいる。
「今ね、この部屋に……って、ここアンジェリアの部屋か!」