女王陛下は溺愛禁止!
「とぼけるな。また勝手に入ったな?」
「だってさ」
 どうやって言おうか迷うエアの手のお菓子をアンジェリアが見咎める。

「あまり菓子ばかり食ろうておると太るだろう」
「神だから平気」
 エアは思い出したように手に持った包みからクッキーを食べる。

「そこばかりは羨ましいな」
「俺の妻になれば同じように太らないよ。あ、結婚したくなってきた?」
「遠慮する」
「しなくていいのに」

「お前の言葉にたぶらかされるなど子どもだけであろうよ」
 言ってから、アンジェリアはさらに付け加える。
「いくらなんでも本当に子どもを騙したりはせぬよな?」
「……たぶん」

「いたいけな子どもをたぶらかしたならば、即刻再封印を施す」
「やらない! 絶対やらない!」
 慌てて答えるエアに、アンジェリアはふうっと息をつく。

「おいたはほどほどにしておくがよい」
 アンジェリアは自室に入り、ラドウィルトが残った。

「いつも部屋まで送ってるんだ?」
「私の役目なれば。私は下がる。エアも下がれ」
「お前の言うことなんて聞かない」
 エアはひょいと手摺を超えて飛び降りる。
 護衛たちはぎょっとするが、ラドウィルトは彼らに「奇術があるから問題ない」と説明した。
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