女王陛下は溺愛禁止!
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翌日もクライドはアンジェリアへの贈り物をよこした。
その翌日も、翌日も。
アンジェリアは自分の好みのそれらを仕方なく受け取っていいた。
どうしてこれほど好みに合ったものばかり。レイジェリーナが入れ知恵したのかといぶしく思いながら、三日後には彼からの面会の求めに応じてまた会う。贈り物だけを受け取って要求を無視したとなれば人格を疑われてしまう。
……疑われたところで無視をすればいいだけなのに。そもそも贈り物を受け取らなければいいのに。
そう思いはするものの無視できなかった。あの小説のヒーローに似ているから気になっているだけ、と自分に言い訳しながら、侍女にクライドとの茶会の準備を命じる。
政務に一区切りをつけた午後、先日と同じ四阿でクライドを待つ。エアもついてきているが、クライドは気にしないようなのでアンジェリアも同席を許可していた。レイジェリーナは子どもが体調を崩したそうで屋敷に戻っている。しばらくは来られないだろう。
「あの王子殿下を気に入られましたか?」
「えー、やだよ、アンジェリアには俺がいるじゃん!」
エアの文句を無視してアンジェリアはラドウィルトに答える。
「そういうわけではないが、興味がないわけではない。王位継承順位の低い王子なら、私との結婚を機に王位を簒奪しようとの目論見があるやもしれぬが。計算のできる男ならその先も考えがあるだろう。そこは確認しておかねばなるまい」
「まったく疑い深くていらっしゃる」
「仕方なかろう。身内に裏切られたのだからな」
憮然と言うアンジェリアに、ラドウィルトは軽く肩をすくめた。