女王陛下は溺愛禁止!
「下手にかばってくれるな、落としどころをなくす」
「申し訳ございません」
 素直に謝ったクライドは、いたわるように彼女を見る。

「あのようにして冷酷な印象を作り上げておいでなのですね。国を統べるためと理解しますが、陛下のご負担では?」
「無用な心配だ」
 切り捨てられ、クライドは笑みに顔をほころばす。

「芯のあるお方だ。ますますお慕いする気持ちが強くなりました」
「はっきり言っておくが」
 アンジェリアは冷めた半目を向ける。

「私は誰とも結婚する気はない。粘っても結果は得られぬ」
「陛下が私を気に留めておられぬこと、承知の上でございます。なればこそ、達成の喜びも増すというもの。ますます奮起いたしましょう」
 彼の余裕の笑みに、アンジェリアはげんなりした。

 直後。
 クライドはハッとして彼女にとびかかる。
 地面に押し倒され、アンジェリアはしたたかに背を打った。

 がちゃん!
 なにかが割れる音が大きく響く。

「なにをなさる!」
「失礼。なにやら落ちて参りましたので」
 クライドが先に立ち上がり、アンジェリアに手を差し出す。しぶしぶその手を取って立ち上がり、見えたのは砕けた陶器。
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