女王陛下は溺愛禁止!
「やっと……やっと封印が解けた!」
 彼は喜々として叫び、ほうけたように口を開けているアンジェリアを見る。
「ありがとう、俺の救世主、愛する妻よ!」
「はあ?」
 アンジェリアはぽかんとしているが、ラドウィルトは険しい顔で剣を抜いた。

「おかしなやつ……どうやって入った!」
「わわ、神に剣を向けるとかひどい!」
 青年は両手を挙げて無抵抗の意志を表示する。

「神だと?」
「そうだよ、神、ここに封印されてた神!」
 青年は石碑を指した。
「悲恋の末に封印されたかわいそうな神なんだから、剣を下げて!」

「ならば神であると証明してみろ」
 ラドウィルトの言葉に自称の神は顔をしかめる。
「その発言、不敬で不遜なんだけど……まあいいか」
 直後、彼はふわりと空中に浮いた。

「これで信じる?」
「魔力を持っているのか?」
「神の力だよ」

「なぜ封印された? 悲恋とは?」
 アンジェリアはあえて尋ねる。
「よくぞ聞いてくれた! 聞くも涙、語るも涙の物語なんだよ」
 青年は胸に手を当て、半ばほど目を閉じて上を向く。
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