女王陛下は溺愛禁止!
「陛下におかれましてはよくよくお考えがあってのこと。今しばらくご結婚の話題は控えられますようお願い申し上げます! 現状でのことをおっしゃられたにすぎず、今後また改めて配偶者についての検討をなされるご予定であられます!」
「余計なことを!」
 アンジェリアが咎めるが、ラドウィルトは下がらない。

「補佐官ごときが会議で発言するだと!?」
「陛下のお気に入りだからと図々しい!」
「いつも王配の候補に難癖をつけて却下しているのはお前だろう!」
「お前が陛下と結婚するつもりか!」
 やじが飛び交う中、さらにラドウィルトは叫ぶ。

「私はこの命をかけて陛下をお守りする所存でございます」
「その真意は!」
「やはり陛下の王配になることを狙っているのだろう!」
 決めつけるようにして議員たちが騒ぐ。クライドと結婚する目算で事業を進めていた者たちにとっては嬉しくないのだろう。

「誰とも結婚しないと言っているのに、なんとまあ」
 議場はさらに荒れて、アンジェリアはため息をこぼした。
 閉会となって退室したのち、執務室に入ったアンジェリアはじろりとラドウィルトを見た。

「お前が矢面に立つ必要はない。なぜあんなことを言った」
「陛下の幸せを願ってのことでございます」

「お前、まさか結婚が女の幸せだなんて言う気ではあるまいな?」
「結婚は男女問わず、人の幸せを左右するものでございましょう」

「だからこそ結婚などせぬと言っている。何度目だ」
 アンジェリアの目には怒りが含まれていたが、ラドウィルトは気にした様子もなく視線を返す。
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