女王陛下は溺愛禁止!
「なにー、どうしたの?」
 呑気な声が聞こえて、ふたりは顔を上げた。
 いつの間に来たのか、エアが覗き込んでいる。

「エア、頼む! 神の力で傷を治してくれ!」
「無理」
 彼は悪びれた様子もなくアンジェリアに即答する。

「でも封印を解いてくれたらできるよ。だから、俺に愛を誓って」
 エアの目がきらりと光り、ラドウィルトは怒りにカッとなった。

「このようなときまでふざけるな!」
「ふざけてないよ。封印が残ってるって言ったじゃん」
 エアは頬をぷくっとふくれさせる。

「だったら医務室まで運んでくれ!」
 アンジェリアが言うと、エアは首をふる。
「無理だよ。それも力が足りない」
 エアは四阿のテーブルを見て目を輝かせる。

「お菓子、食べていい?」
「好きにしろ!」
 アンジェリアは吐き捨て、クライドの手をぎゅっと握る。

「クライド殿、決してあちらへ渡ってはならぬ」
 アンジェリアの悲痛な声がこぼれ、ラドウィルトはさらにぎゅっと彼の傷を押さえた。
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