飴ちゃん食べる?~よろしく焼肉ホスト部♡
 真剣に計画を立ててくれてた早乙女冬弥くん。
 ちょっと無理してオラオラしている橘裕翔くん。
 お腹の調子が悪そうなのに接客を続ける天野スミス唯。

 他のヤンキーホストたちも疲れを見せずに、テンションを常にあげて接客をしている。

 今ここで揉め事を起こしたら、頑張ってるみんなの努力が台無しに――。

 想像するだけで涙目になってきた。

「分かりました。これ届けたらすぐにあっちへ……」

 最悪、人目のつかない場所でこのヤンキーたちを倒せば――。

「いや、行かんでええよ!」

 背後から声がした。

 振り向くと、天野スミス唯がいた。彼はヤンキーたちを思い切り睨む。怯えた顔で一歩後ずさるヤンキー。

「栗谷川はそのまま、俺の客の肉を焼いてて大丈夫だから」
「何? どうしたの?」

 橘裕翔くんと早乙女冬弥くんもこっちに来た。そしてふたりもヤンキーを睨んだ。

 左から天野スミス唯、橘裕翔くん、早乙女冬弥くんの順に並んでヤンキーたちをじっと睨み続ける。最強の三つ子に怯えたヤンキーたちは、すぐに逃げていった。

 一切、手を出していないのに、睨みだけで相手を怯えさせ退散させる最強の三つ子。

――やっぱり強くて、すごくカッコイイ。

「助けてくれて、ありがとう……」
「だって、紗綾ちゃんは大事な仲間だもん」

 早乙女冬弥くんがそう言うと、橘裕翔くんと天野スミス唯は微笑みながら頷いた。

『大事な仲間――』

 心の奥底から、じんとしたものが込み上げてくる。

 私はこの人たちに一生ついていきたいと、心からそう思った。
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