不良校の紅一点！？〜最強男子達からの溺愛〜

『……！うん！！』

兄さんである、雨川雪翔は少しシスコンな優しいお兄ちゃんだった

親は、私が産まれてすぐ事故でなくなった。そして私が物心ついた時には、お兄ちゃんは働いていた。でも文句も何も言わず、いつも私を笑顔にしてくれた

『藍奈、今日はどうだった？』

『今日はね！お兄ちゃんのために絵を描いたの！いつもありがとう！お兄ちゃん！』

『お兄ちゃんのために絵を描いてくれたのか〜！飾らないと！！』

いつも私の作ったもの、嬉しかったことを言ったら自分の事のように喜んだり、大袈裟に言っていた

こんな、楽しくて幸せな日々が続くと思っていた。でもそうはいかなかった。

私は、知らなかった。兄さんは恨まれるようなことをしていないのに勝手に恨まれていて、嫌がらせをされていたことを。そして悲劇は起こった

キキーッドンッ

兄さんと買い物へ行って帰っていると、そんな音がした。そしてそれは私たちに起こった事だというのに理解するのに時間がかかった。でも、私は無傷だった。だけど兄さんは―――

『おにい、ちゃん……？』

『あい、な……』

『お兄ちゃん！お兄ちゃん！！嫌だよ！！』

『藍奈、お兄ちゃんと約束してくれるか？』