別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました
 ドアがノックされたのは、朝一番の捜査会議に向かうため席を立とうとしたタイミングだった。

「どうぞ」

「失礼します」

 入室してきた女性を見て瞬は心の中で溜息をつく。

「朝からどうかしたか、斉藤主任」

 中に入ってきたのは斉藤芹那。4年前瞬が捜査支援分析センターを担当していたとき部下だった女性だ。たしか現在31歳だったと思う。父親が警視庁副総監、母親は旧財閥系出身という派手な家系。本人も頭脳明晰な才女として庁内で有名だ。

「おはようございます。分析の手法についてご相談したくて伺いまいした」

 はきはきとした芹那の様子に瞬は眉をひそめた。

「何度も言っているが、もう俺は君の上司ではない」

「今は参事官として全体を取り仕切ってくだっていますから、広い意味では上司ですよね」

 相変わらず彼女は自分中心に物事を考えているようだ。インターポールの赴任が決まったとき、彼女の父、当時刑事部部長だった斉藤警視監から娘を同行させないかと打診された。きっと芹那に強請られたのだろう。
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