別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました

「へぇ、息子くんか……は？」

　さすがの捜査二課長も衝撃だったようで、言葉を失い限界まで目を見開いている。

「コーヒー、こぼれるぞ」

　揺れる波多野の手元を見ながら、瞬はカップを口に運んだ。

　別に隠すつもりもないし、はやく佳純と大輝の存在を公表したいと思っていたから、この同期に相談するのになんの躊躇もなかった。

「ちょっと待て、お前いつのまに結婚したんだ？」

「結婚はこれからだ」

　まだプロポーズもしていないが、と心の中で付け加える。それも早々にしたいと思っているが。

「あーもう、ちゃんと説明してくれよ」

　波多野が頭を抱えたので、瞬は今にいたる経緯を簡単に説明した。

「はー、なるほど。昔別れた彼女がねぇ」

　瞬の話を一通り聞いた波多野は長い溜息をついた。

「でも、斉藤副総監のお嬢さんはどうすんだよ」

「どうするもなにも、そもそも俺には関係ない」

「でもかなり前から鮫島にご執心だって庁内で有名じゃないか。俺、鮫島は帰国したら彼女と結婚すると思ってた。副総監は立派な人だが奥方と娘には甘いんだよなぁ。お前に不利にならないといいけど」

「公私混同している時点で立派ではないな」