別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました
 小さな体に着いた砂を払ってから立ち上がると、チェックのエプロンをした柚希が砂場用のシャベルやバケツを下げながらこちらにやってきた。そろそろ外遊びの時間は終わりなので片づけを始めているようだ。

「お疲れー、佳純」

「柚希もお疲れ様」
 
 大輝は「さっきね」と言いながら佳純の手をギュッと握ってくる。

「ゆずせんせいに、くるまのえほんよんでもらった」

「そうなの、よかったね」

「大輝は本当に乗り物すきだよね」

 柚希は屈んで大輝に笑いかける。

 柚希は実家に住みながらこの保育園で保育士をしている。大学卒業とともに勤め始めて六年目。本人曰く「だいぶ大きな顔ができるようになってきた」らしい。

 彼女は大輝の担任ではないが、異年齢の子たちを合同で保育する縦割り保育の時間があるので、そのときに読んでもらったのだろう。

 帰り支度を終え、保育園を出た佳純は大輝を連れて近くにあるスーパーに寄る。

 なるべくネットスーパーでまとめ買いをしているが、それでも足りないものは出てくる。

「ママ、ヨーグルトほしい!」

「そうだね。もうなかったから買って帰ろうか」
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