別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました
 彼らには子どもはおらず、叔夫は一般企業の営業職をしていたが、見栄っ張りで金遣いが荒い人だった。
 祖母を引き取ったのも世間体のためだったようで、叔母は叔父に愛想をつかしており夫婦仲は冷え込んでいた。

 そんなふたりが祖母に優しく接するはずもなく、家事をすべて押し付け叔父夫婦はそれぞれ遊びまわっていたし、姪への愛情もまったく無かった。

『ばあさんを養うには金が必要なんだ。孫のお前が協力するのは当然だろう』

 叔父にそう言われた佳純は給料の大半を祖母の生活費、二年前にがんが見つかって入退院を繰り返すようになってからは治療費として叔父の口座に振り込んでいた。

 昼は花屋、夜は清掃のアルバイトでお金を稼ぐ日々。祖母が気に病むといけないから叔父にお金を渡しているとは伝えなかった。朝早くから夜遅くまで働き、合間にお見舞いに行く生活は体力的にきつかったが祖母のためだと思えば辛くなかった。

 父母を相次いで亡くした佳純にとって祖母は自分を愛してくれるたったひとりの家族だったから。

 いつかおばあちゃんを引き取って一緒に暮らしたい。そう思ってがんばってきたのに――
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