ハロウィンの悪魔



時刻は21時。

積み上がった書類の山で見えなくなっていた向かい側の席の同僚の顔が見え始めたところで、今日はそろそろ切り上げようと何気なく周囲に目を向けた。

課内どころか他部署で残っている人間もまばらで、帰宅を心に決め帰り支度を進めていると、見知った顔が入ってきた。


界斗は栞を見つけるとおもむろにホッとした表情を見せ、そのまま近付いてきた。


「今から帰りですか」
「そうですけど…」


まさか今から仕事の依頼がとゾッとしたが、界斗も手に鞄を持っている様子からしてどうやらそれは無さそうだ。


「少し付き合ってもらえますか」
「え、どこに…」
「飯、一緒に行きましょう」
「なっ…!?」


まさかの誘いに驚いて前に座る同僚を見ると、タイミング良くちょうど席空きで課長の所へ赴いていた。


「ひ、ひとまず外に出ましょう!」


半ば強引に外へ出て、人気のないエレベーター前まできてもう一度界斗と対面する。





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