DEAR 1st 〜 SEASON〜

「さっ!

二人の邪魔したらダメだから……
純、もう行こう?」




チカさんが朝岡さんの腕を引っ張る。


朝岡さんは小さく頷いた。



……まるで、



“嫌だ”


と言うように小さく小さく─…。






「…せやな……


──じゃあまたな、彩」




朝岡さんがポンと頭を撫でて。


何故か物悲しい笑顔をあたしに向けた。





「うん、またね♪」





──…何も気づいていなかったあたしは、そのまま笑顔で手を振った。






───…ねぇ、


朝岡さん……。




あのね……?



朝岡さんのその悲しい笑顔も、違和感があった態度も。




今頃になって、

この頃の朝岡さんの可笑しな態度にようやく気付いたんだ。



もう、ずっとずっと前からだったんだね。




──…なのに



あの頃のあたしは、それこそ自分しか見えていなくて。




遅いよね──…。




この頃から、辛かったのかな。


気付けなくて、ごめんね。



少しでも気付いていたら──…。




朝岡さんとチカさんを

傷つけずに済んだのかな……





…なんて。




未だに、あたしはどうしようもない事を思っているよ──…。
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