DEAR 1st 〜 SEASON〜


朝岡さんとチカさん達がいなくなった後。


急に静かになったような気がして、慌ててぶんちゃんに会話を振る。




「あたし達も行く?」


「うん、行こうか。」




……そう微笑み合って、手を繋ごうとした瞬間。




────────ッ!!




心臓を、矢で射抜かれたような感覚に全身が痺れる。





だって───…



目の前には。



こちらに向かって歩いてくる………



ぶんちゃんの“元彼女”の姿が───……。



やだ…。
どうしてこんなタイミングで?



見たくなかった。

“彼女”の姿を見れば、
惨めで辛かった立場をまた思い出してしまう。




お願い…。

こっち来ないで──…。




「彩?早く行こう」



タイミング悪く、
ぶんちゃんが行こうとしているのは“元カノ”がいる方向だった。




「……あっち……

行こう…?」



震えが、口にも言葉にも伝染する。


まだ、ぶんちゃんは彼女の存在に気付いてはいない。




「あたし、こっち見たい」



「え?」



無理矢理ぶんちゃんの腕を引っ張り、鉢合わせになるのを避けようとした行動が──……。





────凶と出る。






……遅かった。




二人は、




既に見つめ合っていた。






───あたしが立ち入れない、浮いた空間で。

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