無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる
ありがとう、お母さん……っ!
車のドアを開けて、車の外に足を一歩踏み出す。
穏やかに吹いた風が、私のセミロングの髪の毛を揺らした。
一歩、二歩と新居の玄関へと向かって歩いて行く。
「ここがこれから玲奈の住む家よ。
どうぞ、入ってゆっくりしてね」
先に車から出ていたお母さんが、穏やかな笑顔でそう言った。
「もしかしたらもう、相手の子がいるかもしれないわ。
お母さんはこれから、三橋さんとお茶会を控えてるから、先に行くね」
「うん! 分かった!」
「じゃあね、玲奈。
なにかあったら連絡してちょうだい。
楽しんでね」
お母さんはにこやかにそう言って、私に手を振った。