無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


そこは思った以上にふわふわで、心地がよかった。


それから、私のすぐそばに肩にかけていたかばんをおろす。


それとほぼ同時だった。


ガチャ。


玄関の扉が開く音がした。



「……っ!」



思わず息を飲む。


相手の人が、来たのかな……っ?


ど、どんな人なんだろう……?


この部屋に来たら、ちゃんと挨拶しなくちゃな。


「初めまして、朝倉 玲奈です」ってきちんと言おう。


緊張と不安でばくばくと、心臓が速く、大きく動く。


充電の切れたロボットみたいに、私は玄関からリビングに繋がる扉を見据えたまま、全く動けない。


そして。

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