苦手な上司にプロポーズすることになりました
「失礼します」
とすぐにやってきた赤荻由人に佑茉は、何故、こいつがここに、という目で見られる。
和市がヘッドハンティングの話をすると、由人はあっさり認めた。
「うちの会社のなにが嫌なんだね」
と問う和市に、由人が答える。
「創業者一族の力が強すぎるのが嫌なんです」
「話終わったじゃん」
と佑茉は和市を振り向いて言った。
由人が、何故、社長にタメ口っ!?
という顔をし、和市は、
ちょっと黙ってなさいっ、メッ、と子どもを叱るような目で佑茉を見る。
でもこれで、この話は終わったな、と佑茉は思っていた。
創業者一族の力が強いのが嫌な人に、創業者一族に加われと言ったところで、無理な話だろうと思うからだ。