苦手な上司にプロポーズすることになりました
「グループの他の会社からもいろいろ口出されて、プロジェクトが思うように進まないこともありますし」

 赤荻くん、と和市は由人の肩を叩く。

「君はまだ若い。
 社内の人間はみな、君の優秀さをよく知っているが、グループ会社の人間の中には、まだそれを知らない者もいるから。

 舐められて、話が上手く通らないこともあるだろう。

 私は別に威張ってはいないが――」

 和市の話の途中で、

 ……そうか?
と佑茉は疑問に思ったが、とりあえず、口は挟まなかった。

「確かに、他の会社にいる我が一族の者の中には、血筋に甘えて、
ふんぞり返っている(やから)がいるのも知っている。

 だが、逆にこう考えてみたらどうだね?

 君がその創業者一族になれば、若くても権力を行使できる。

 それから、君の思う風通しの良い会社をつくればいいんだ。

 赤荻くん、佑茉は私の姪なんだ」

 由人が佑茉を振り向いた。
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