苦手な上司にプロポーズすることになりました
 顔がこちらを向きかけただけで、いつもの反射で、叱られるっ、とビクついてしまう。

 由人を直視できなかったので、その表情まではわからなかった。

 和市は、そんな佑茉を見て、……なにやってるんだ、という目をしながらも、顔にはあまり出さずに、ぽんぽん、と由人の肩をもう一度、叩いた。

「君にはいずれ、この会社をささえて行ってもらいたいと思っている。
 赤荻くん、佑茉と結婚しないかね」

 あ、今度はハッキリ見えた。

 すごい嫌そうな顔をしている……。

「そうすれば、君を早くに重役にもできるから。
 きちんとした立場を得てから、ここを君の理想とする会社にすればいいじゃないか」

 和市は、最後に笑顔でそうまとめた。




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