苦手な上司にプロポーズすることになりました
 


「悪かったな、今日はリモートワークだったんだろう?」

 おや、初めて部長に謝られましたよ、と思いながら、一緒にエレベーターに乗り、怒涛の出来事のあった社長室から遠ざかる。

「まあ、魅力的な話ではあるが。

 ……ああ、お前じゃなくて、役職の話な」

 ……でしょうね。

「だからって、創業者一族の力が強すぎて風通しが悪いと批判してきた俺が、そこに混ざってどうするって話だよな」

「でも、社内の雰囲気を変えるには、自分が上に立つ必要がありますよ」
と叔父が言ったのと同じことを言うと、由人は、まあ、一理ある、という顔をしていた。

「それに、うちの会社、チームワークいいですよね、特に部長の周りは。

 部長の手腕もあると思いますが、もともといい人材がそろっているからでは?

 次の会社、条件はよくても、そこがクリアできてるかはわからないですよね」

「しかし……」
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