苦手な上司にプロポーズすることになりました
 


 結構、社内の人も来る人気の蕎麦屋に二人で来た。

 如何にも蕎麦屋な感じの店内に、出汁のいい香りが漂っている。

「みんなに見つからないですかね?」

 佑茉は辺りを伺いながら、そう言ってみたが、

「お前と俺がいたところで、誰もなにも疑わないだろ?」
と由人はロクでもないことを言ってくる。

 しかし、この人と向かい合って蕎麦食べるとか緊張するな、と思ったとき、プラスチックのケースに入ったメニューを見ながら由人が言った。

「俺はモテないからな」
「え?」
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