苦手な上司にプロポーズすることになりました
 佑茉のお嬢様っぽい雰囲気に押され。

 最初が肝心だから、着物で出迎えて、一発かましてやらねばっ、と思ったことも忘れていた。

 横で、忠と吉住は、

 っていうか、何故、ジャージ買いに、百貨店っ!?

 そこは、近所のしまむ⚪︎とか、ショッピングセンターでいいのではっ?
と言う顔で彼女を見ている。

「わあ、素敵な畑ですね~」

 佑茉はニコニコしながら、畑を眺めた。

 はっ。
 小娘に気押されてしまった。

 うちも今はそんなたいした家じゃないけど。

 世が世なら、城代家老の家系。

 負けてなるものかっ、と千賀代は、余裕のある態度を装い、微笑んだ。

「いらっしゃい、佑茉さん。
 はじめまして、由人の母です」

 佑茉が小声で由人に言うのが聞こえてくる。

「すごく綺麗な方ですね。
 部長そっくり」

 あら、なかなか見どころのある子ね、と千賀代は、内心、にんまりしていたが、顔には出さないようにした。
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