苦手な上司にプロポーズすることになりました
 店員がやってきて、三人とも蕎麦を頼み終わると、彼女がいきなり身を乗り出し言ってきた。

「どのような条件なのかお聞かせください」

 ……いや、何故、あなたの方が乗り気なんですか。

 赤荻さんが、この人に、
『部長、転職して私を置いていかないでくださいっ』
と泣きつかれているのかと思ったのに。

 こちらはかなりいい条件を提示しているはずだし。

 由人は今の会社に不満を持っているはずだ。

 それなのに、思ったほど、スムーズに話が進んでいないのは、この女性のせいなのではと思ったんだがな。

 そう思いながら、新平は、さらに二人を観察する。


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