苦手な上司にプロポーズすることになりました
「お前は気は多くない。
 滅多に女性を好きになることもない。

 そんなお前が、公園の彼女にも、佑茉さんにも心惹かれているようだった。

 だったら、同一人物なんじゃないかと思って。
 佑茉さんに連絡とり、すっぴんで公園に行ってみてくださいと言ったんだ」

 そして、お前が公園に行くように仕向けた、と湯沢は言う。

「社長にも物陰から確認してもらった。
 社長はお前を買い被りすぎていたのかもしれないと言ってたぞ。

 物事の本質が見極められないようだと。

 社長には、キャリアウーマン風に着飾った佑茉さんも、普段のぼんやりした佑茉さんもなんの違いもないように見えてるみたいだから」

 いや、そんな莫迦な……と思いはしたが。

 自分も二人に同じ空気を感じていたのかもしれない。

 結局、俺が気になる女性は、全部『薬川佑茉』だったってことか。

 湯沢との通話を切った由人は公園に入り、佑茉の前に立つ。

「薬川」

 あれ?
 バレてました?
という顔で、佑茉が顔を上げる。
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