苦手な上司にプロポーズすることになりました
 


 ついに教えてしまったな。

 電話を切ったあと、湯沢は思った。

 この間、竜吾と由人が公園の彼女について話しているのを聞いていた。

 あのとき言ってもよかったのだが。
 もっと劇的なタイミングで知らせるべきだと思った。

 秘書としては――。

 まあ、俺個人としては、あの二人をくっつけてしまうのは、ちょっともったいない気もしてるんだが……。

 だが、あの二人が結婚したとしても、俺にチャンスがないわけでもないしな、と湯沢は思う。

 佑茉さんは、結婚したものの、無骨な夫とはすれ違い。

「あの、その無骨な夫、俺ですよね?」
と可愛い後輩が妄想に突っ込んでくる声が聞こえた気がしたが、そこはスルーする。
< 305 / 379 >

この作品をシェア

pagetop