苦手な上司にプロポーズすることになりました
 和市は由人の手を握り言った。

「君なら、高嶺をも打ち倒せるっ!
 ……いや、共に手を取り、頑張ってくれっ」

 今、本音がもれたな……と佑茉は思った。

 別に実の息子でないから、打ち倒したいわけではないだろう。

 高嶺が、父を父とも思わぬ、王様のような厄介な性格をしているからだ。

「高嶺はしばらく、戻ってこないはずだったんだよ。
 佑茉に赤荻くんを薦めたのが私だと知れたら、殺されるっ」

 君たち、恋愛結婚なことにしてくれたまえっ、と和市は言い出した。

「なんだ、あの男はお前に気があるのか?」

「いえいえ。
 そういうあれではないです。

 お兄様の好みは、私とは全然違う感じでして……」

 佑茉は、小さいときは、ベッタリ一緒に育った高嶺をお兄様と呼んでいた。
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