苦手な上司にプロポーズすることになりました
 まあ、エリナはそもそも、普段のぼんやりした私ばかりを見ているのだが……。

 高嶺が深く頷いて言う。

「そうか。
 お前の佑茉への熱い想いはわかった」

 わかったんだ……?

 私、いまいちわかってないんだけど、と佑茉が思ったとき、高嶺が言った。

「だが、お前は、真面目すぎて面白くないのでは?」

「ちょっとおにいちゃん。
 簡単に佑茉を渡したくないからって、なんでも因縁つけないでよ」

 そうエリナが言ったとき、
「ちょっと待ったあああ」
と誰かが割り込んできた。

「鈴木っ」

 またもスーツ姿の鈴木が言う。

「いいじゃないか、質実剛健っ。
 佑茉は、その男みたいなのが好みなんだろうと思って、僕も最近は真似してるんだっ。

 急に路線変更されても困るっ」

「……それ部長の真似だったの?」
< 319 / 379 >

この作品をシェア

pagetop