苦手な上司にプロポーズすることになりました
 


「そういえば、佑茉。
 由人の親御さんにご挨拶はしたのか」

 ワインを手にやってきた高嶺が言う。

「ご挨拶っていうか。
 野菜の収穫を手伝いに行って、お抹茶とうなぎをご馳走になりましたね」

「手伝いの礼がうなぎだったのか?」

 いや、あれは――
と由人が説明しはじめる。

「あとで母から聞いたんですが。
 うなぎなら出てくるまでに時間がかかるから、うなぎにしたと。

 その時間に、薬川と話をして、いろいろと聞きたかったらしくて」

「聞くってなにを。
 家のこととかか?」
と高嶺が言う。

「まあ、いろいろと聞いてましたね。

 で、結論としては、
『品のいいお嬢さんで。
 決断力があって、由人の方が引っ張っていってもらえそう』」

 確かに、と高嶺たちが笑う。
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