苦手な上司にプロポーズすることになりました
「あと、良いおうちのお嬢さんすぎて、ちょっと困る、とも言ってましたね」

「なにが困るんだ?」

「あんまり相手方がいい家だと、彼女の実家に帰ったとき、由人が裏口から入ったりしないといけなくなるからとか言ってましたね」

「……なに時代の話ですか」
と言ったあとで、佑茉は言った。

「でも、部長のおうちも結構な豪邸でしたよ。
 大きな日本家屋で。

 座敷に座敷童子とか、トイレにあやかしとか。
 庭に死体とかありそうな感じでしたね」

「庭に死体って、お前んちじゃないんだぞ」
と由人に言われる。

「うちもないですよ、たぶん
 業者さんが埋めてたら知らないですけど」

 二人とも、二時間サスペンスに洗脳されていた。

 昔からある豪邸の庭には、死体のひとつやふたつ、埋まっているに違いない、と思ってしまうのだ。
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