苦手な上司にプロポーズすることになりました
 


 翌日。
 由人は近場に出張したついでに立ち寄った蕎麦屋で新平に出会い、同席した。

 もうヘッドハンティングの話は立ち消えているので。
 最近では、ただの友人のようになっている。

「その後、佑茉さんとは進展ありました?」
「あるわけないでしょう」

「なんでですか。
 プロポーズっぽいこと言ったんですよね?

「何をプロポーズと定義するかは難しいところですね」
と眉をひそめる由人に新平が訊く。

「具体的には、なんて言ったんですか?」

「何年かは、イモを植えよう」

「……それはプロポーズなんですか?」

「何年かは、ここにイモを植えよう」

「言いかえても大差ないですよ」
と言われたところで、お互い、蕎麦が来たので、とりあえず食べた。


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