苦手な上司にプロポーズすることになりました
 


 由人は心の中で、これは仕事だ、と思おうとしていた。

 立ち退かない住民を立ち退かせ、別の場所に移動させて、立ち退いた場所に新しい商業施設を造るプロジェクトだと。

 住民は保障してもらえるのなら、立ち退くことも満更ではないが、タイミングがつかめずにいる。

 そんな感じだと思おうとしていた。

 実は、『タイミングがつかめない』だけ正解だったのだが。

 いやいやいや、まあまあまあ、と佑茉は止めようとする。

 やはり、俺の近くで暮らすのは、嫌なのか?

 この間は雰囲気に押し流されて、まあいいです、みたいな感じになっていただけなのかっ?
と疑心暗鬼になる由人に向かい、佑茉は必死に訴えてくる。

「せ、せめて部長の部屋の隣の隣でっ。
 あ、いや、隣の隣の隣でっ」



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