苦手な上司にプロポーズすることになりました
 


 近くに外で仕事できそうな緑の多いオープンカフェもあることだし。

 住んでみるのも、まあ、悪くないかな、と由人は思う。

 この家も庭が立派だし。

 何処も緑が多くて心が(なご)む。

 まあ、この嫁にはいまいち和まないんだが、と思いながら、由人はリビングの広い窓ガラスから外を見た。

 いかん。
 この庭を自由に走り回る白い大型犬の幻が見えた。

 取り込まれそうだ、この家にっ、と由人は思う。

 だが、家目当てで結婚とかしたら、薬川にも申し訳ないだろう。

 そう思って佑茉を見たが、佑茉は特になにも気にしている風にもなく、
「部長、玄関ホールから西側と東側、どっちに住みます?」
と呑気なことを訊いてきた。




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