苦手な上司にプロポーズすることになりました
 


「うん、美味いな」

 小洒落た紙の容器に入ったパスタを食べながら、由人は言う。

「このハーブソルトがかかったフライドポテトも熱々で美味しいですよ」

 すぐ近くにあるイタリアンの店がテイクアウトもやっていたので、頼んでみたら、当たりだった。

「外から中が見えないし。
 黒っぽい外装で怖そうな店だな~って思ってたんですけど。

 部長が一緒だったんで入れました」
と佑茉が笑うと、由人は、

「黒っぽい外装だから怖いってなんだ」
と言う。

「怪しい店だったり。
 癖の強い店主がいたりしそうじゃないですか」
と佑茉は偏見を述べる。

「なんにせよ、当たりでしたね。
 今度、お店の方に行ってみませんか?」

 うっかりそう言ったあとで、
「あ、部長がお嫌でなければですが」
と佑茉は付け加える。
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